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工場の神経はPLCに宿る──レガシー設備を活かす最短ルートはPLC情報の再利用 Tech#2

後付けセンサを増やす前に、装置の頭脳であるPLCの中身をもう一度覗いてみませんか。

こんにちは。技術コラム第2回です。展示会のピカピカな最新設備を見て、自社工場が急に昭和に見えてしまった方へ向けて書きます。結論から言えば、昭和のままで十分に勝てます。ただし、PLCの中を覗ければ。

古い設備は悪ではない。

しゃべり方が古いだけ


日本の工場の主力は、いまも20年前の設備です。油と汗にまみれながら、今日も利益を叩き出している頼れる古参兵。気難しいが腕は確かなベテラン職人と同じで、若い設備より口は重いが、利益はきっちり持ってきます。

コンサルタントは軽やかに『IoT対応モデルにリプレイスしましょう』と言います。言うのは自由です。言うだけならラインは止まりません。しかし生産技術者は知っています。設備更新は、ライン停止・条件出しのやり直し・立ち上がり不良・保全教育・部品在庫の見直しまで全部ついてくるフルコース料理だということを。現場にとっていちばん怖いのは『古いこと』ではなく、『止まること』です。

本題:装置の神経はPLCに集まっている


ここで、多くの現場が見落としている事実を強調させてください。PLCは、その装置の動作のほぼすべてを司っています。シリンダの前進と後進、モータの回転数、温度の設定値、サイクルカウンタ、アラームフラグ、ワークの有無、良品と不良品の判定。これらは全部、PLCの内部メモリ、いわゆる『デバイス』の中に住んでいます。

しかも、ここ数年で装置内ネットワークの普及が一気に進みました。EtherNet/IPやEtherCATといった産業ネットワークの採用率が年々上がり、サーボアンプや各種センサの情報までPLCに集約されるようになっています。つまり現代のPLCは、装置の神経センターとして情報密度が昔とは桁違いに高い。年々、勝手に豪華になっていく神経系を抱えているのです。

後付けセンサより先に、PLCの棚卸しを


『データを取りたいから、まず後付けセンサを付けよう』──これはDXでもっともよく見る、しかし、もっとも残念な出費の誤り方です。温度も圧力もサイクルタイムも、たいていはPLCがすでに知っています。ただ、装置の外に出していないだけです。

新規にセンサを1点追加するには、配線・電源・取り付け・校正・筐体設計・安全確認、ざっと数十万円のコストが飛びます。一方、PLCから同じ情報を読み出せれば、ハードウェアの追加はゼロ円です。これは節約というより、『もう払ったコストを再利用しているだけ』という話です。

現場の声:二重投資の悲劇



若手エンジニア:「温度データを取りたいのでサーモセンサを付けましょう」

ベテラン保全:「……それ、ヒーター制御用にPLCが毎秒読んでるけど? D200を見てみ」


若手エンジニア:「(ポチッ)……あ、ありました」


ベテラン保全:「だろうな」

eSmartLinkシリーズは

『PLCからノーコードで抜く』発想から生まれた


では、普通の現場担当者がどうすれば、安全に・簡単に・安く、PLCの中身を引き出せるのか。この問いに対する現実的な答えとして生まれたのがeSmartLinkです。

  • ノーコード:ラダーを書き換えず、既存装置に一切触らずに値を取得できる
  • マルチベンダ対応:キーエンス・三菱・オムロン・パナソニック・ロックウェル・シーメンス・安川など主要PLCをプロトコル透過で扱える
  • 低価格:Raspberry Piベースで低価格帯から導入でき、PoCの『言い訳にできない価格』を実現
  • 即時通知:スマートフォンやスマートウォッチへ、アラーム・稼働・段替え・補充情報を届ける

後付けセンサを10点増設する予算で、工場10台分の神経信号が抜けてしまう。これがPLCファーストの経済学です。

必要なところだけ抜く。

それが最も現実的な一歩


全設備を一気にネットワークへ、全データを統合基盤へ──構想は立派ですが、たいてい見積もり段階で重くなり、現場の協力も薄くなります。賢いやり方はもっと地味です。

いま改善したいテーマに必要な信号だけを、PLCからこっそり、でも確実に抜く。温度だけ、圧力だけ、サイクルタイムだけ。最初はそれで十分です。そこから不良率が下がれば、次の信号を足せばいい。夢は立派ですが、利益は作業からしか生まれません。

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