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製造業向けのデータサイエンティストは一人もいない!? Diary #01

みなさん、こんにちは。Vertysの山本です。

今日は、この会社を立ち上げるきっかけになった話をします。

ちょっと過激なタイトルをつけてしまいました。

もちろん、本当に「一人もいない」わけではないかもしれません。
でも、30年この業界にいて、製造プロセスに精通したデータサイエンティストに出会ったことがないのは事実です。

これは、何かの冗談ではなく、構造的な問題なんじゃないかと思っています。

今日はその話をさせてください。

  

キーエンスで見てきた「データの墓場」


  

私は長年、キーエンスでFA(ファクトリー・オートメーション)の世界にいました。

センサー、PLC、計測器。

つまり 「データを集めるためのハード」 を、たくさんの製造業のお客様に提供してきました。

で、ある時ふと気づいたんです

  

  
「あれ? みんな、データ集めてるけど……活用できてなくない?」

  

高精度なセンサーを入れて、大量のデータが日々蓄積されている。

なのに、そのデータはサーバーの奥底で静かに眠っている。

まるで 「データの墓場」 です。

もったいない。本当にもったいない。

  

「データサイエンティスト不足」の正体


  

最近、あちこちで「データサイエンティストが足りない!」と叫ばれています。

特に製造業ではその声が大きい。

でも、ここで立ち止まって考えてみてほしいんです。

世の中には優秀なデータサイエンティストがたくさんいます。
Webマーケティング、EC、金融の世界では大活躍されています。

でも、「製造業の生産プロセスに精通したデータサイエンティスト」となると、話は別です。

半導体の成膜工程がわかる人。
樹脂の射出成形の条件出しがわかる人。
金属プレスの金型摩耗とバリの関係がわかる人。

そういう方に、30年この業界にいて、お会いしたことがありません

「不足」というより、そもそもその領域に専門家が存在しにくい構造になっているのではないか。
そう感じるようになりました。

  

なぜ「いない」のか


  

理由はシンプルです。

製造業の現場は、一品一葉の世界だから。

半導体の成膜、樹脂の射出成形、金属のプレス加工。

どれも製品ごと、工程ごとにまったく違います。
同じ「製造業」とひとくくりにはできないくらい、一社一社の課題がユニークなんです。

いわゆるデータサイエンティストが、いきなり製造現場に放り込まれても、正直なところ通用しません。

「このデータの意味は?」「この波形の異常は何を示してる?」

――製品と工程を深く理解していないと、分析の入り口にすら立てないんです。

  

じゃあ今、誰がやっているのか


  

答えは、工場のエンジニアさんたちです。

品質管理や製造技術の担当者が、自分たちで回帰分析や相関分析をやっている。
Excelで散布図を描いて、「この項目、相関がありそうだな」と。

中にはスキルの高い方もいて、独学で機械学習やタグチメソッドを使いこなしている人もいます。

でも、それは かなり属人的 です。
その人が異動したら、もうできる人がいなくなる……なんてことも珍しくありません。

  

ツールの壁


  

「じゃあPythonを覚えればいいじゃないか」という声もあります。

確かに、Python + scikit-learn のようなオープンソースを使えば、高度な機械学習もできます。

でも現実問題として、日々生産ラインを回しながらプログラミングを覚えるって、相当ハードルが高い

市販の分析ツールもありますが、お値段が張る上に、操作が複雑。

「かゆいところに手が届かない」という声を、本当によく聞きました。

  

よし、作ろう。


  

そうやって何年も現場を見てきて、ずっとモヤモヤしていました。

データを集めるインフラは揃った。
でも活用する道具がない
専門人材もいない。
現場のエンジニアは頑張っているけど、限界がある。

だったら、自分たちで作ろう。

製造業の現場の人が、専門知識がなくても簡単に使えるデータ解析ツールを。

  

次回は、「じゃあ誰と一緒にこのツールを作るのか?」という話をしたいと思います。
製造プロセスとデータサイエンス、両方わかる人を探す旅の始まりです。

  

  

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