社長挨拶
MESSAGE
製造業のDXを、再定義する。
代表取締役社長 山本 佳史
私は前職のキーエンスで、重点顧客チームの一員として、さまざまな製造企業の現場を歩いてきました。生産ラインのすぐ横に立ち、設備の音を聞き、現場の方々と一緒に課題を考える。そんな日々の中で、ある思いが少しずつ膨らんでいきました。
日本の製造業のDXには、まだまだ大きな伸びしろがある。
今、製造業DXとして世の中に提供されているソリューションの多くは、「周辺領域」に向いています。労務管理の効率化、帳票のデジタル化、管理コストの削減。どれも大切な取り組みです。けれど、製造業の一番の強みは、そこではないはずです。
製造業のDXのど真ん中は、「生産プロセス」そのものを進化させることだと、私たちは考えています。
品質を左右する製造条件を、データをもとに最適化する。設備のちょっとした変化を早い段階で捉えて、ラインを止めない。歩留まりの改善ポイントを、特定の人の経験だけに頼らず、みんなが使える知見として積み上げていく。この「生産プロセスの進化」こそが、ものづくり企業の力を根本から引き上げる領域だと思うのです。
では、なぜこの領域のDXがなかなか広がってこなかったのか。
理由はシンプルです。
生産プロセスは、業種や製品、工場ごとにまったく違います。同じ会社でも、拠点が変われば設備もやり方も異なる。この多様さゆえに、生産プロセスのDXはどうしても個別の受託開発に頼るしかなかった。費用は数千万円、場合によっては億単位。大手企業でも簡単には踏み出せません。まして、日本の製造業の多数を占める中堅・中小企業にとっては、なかなか手が届かないのが現実でした。
生産プロセスを本気で変えたいのに、その手段がない。
そういう工場が、日本中にたくさんあります。
ならば、その手段を私たちがつくろう。それが、Vertysを立ち上げた出発点です。
私たちの考えは、とてもシンプルです。
生産プロセスに直結する高度なソリューションを、受託開発ではなく、標準製品として届ける。
そのためにVertysが立ち上げたのが、製造業DXプラットフォーム「PieceMaker」です。
PieceMakerは、特定の製品を指す名前ではありません。製造現場が抱える課題──その一つひとつに対して、「足りないピース」を標準製品として生み出し、届け続けていく。その営み全体を表すブランドです。現場の課題は多様で、常に変化していきます。だからこそPieceMakerも、決まった形にとどまることなく、現場と共に進化し、必要なピースを創り続けていきます。
その中で、私たちがまず取り組んでいるのが、生産プロセスのDXを支える基本的な仕組みづくりです。考え方はシンプルで、三つの層で成り立っています。
つなぐ ── eSmartLink
既存の設備やPLCとノーコードで接続し、現場のデータをリアルタイムに集めて見える化します。新しい設備への入れ替えは必要ありません。今ある生産ラインを、そのままデータ活用の出発点にできます。
最適化する ── SmartFactory Insight(SFI)
蓄積されたデータをAIが分析し、品質改善や予兆保全、最適な製造条件を導き出します。専門的なプログラミング知識がなくても、現場の技術者が自分の手で使えるノーコード設計です。
測る ── eSmartProductivity(開発中)
集めたデータから、設備の稼働効率や生産性の指標を自動で算出する製品を開発しています。どこにムダがあって、何から手をつければいいか。ベテランが経験で感じ取っていたことを、みんなが分かる数字に変えていく。そんな製品を目指しています。
これらは、PieceMakerの最初のピースです。
現場には、まだまだ埋めるべきピースがあります。画像検査、生産計画の最適化、技術の伝承──。私たちはこれからも現場の声に耳を傾けながら、必要とされるピースを一つひとつ形にしていきます。
なぜ、私たちにこれができるのか。
それは、この事業が現場から生まれたものだからです。
私自身がキーエンス時代に何百もの現場を歩き、いろいろな業種・規模の工場で生産プロセスの課題と向き合ってきました。どこに共通の悩みがあり、どこを標準化できて、どこは個別に対応すべきか。その感覚は、現場を歩き続けたからこそ得られたものだと感じています。
そして、Vertysの製品は、私一人の力でできたものではありません。
FA機器の開発に長年携わってきた技術者。製造現場のシステム構築を熟知したエンジニア。ソフトウェアづくりに真剣に向き合う開発メンバー。そして何より、私たちの製品を実際の現場で使い、貴重なフィードバックをくださった多くの製造企業の皆様。たくさんの方々の知恵と経験があって、はじめて今のVertysがあります。
心から、感謝しています。
製造業のDXを、再定義する。
周辺ではなく、生産プロセスのど真ん中へ。
受託開発ではなく、標準製品で。
大企業だけでなく、すべての製造業へ。
日本の製造業には、まだまだ伸びる力があります。
その力を、データとAIの力で引き出していく。一つひとつの現場に届けて、一緒に前へ進んでいく。
それが、株式会社Vertysの目指すところです。
ものづくりに関わるすべての皆様と共に、日本の製造業の新しい章を、ここから始めていきます。